自分で作ったRobloxのゲームを初めて遊ぶ人にも分かりやすくしたい。この記事ではゲームを制作する人に向けて、ゲーム内の案内文やアイテムを拾ったときの表示・音を見直す方法を紹介します。
例にするのは、コースに置かれた星のアイテムを三つ集めると出口の扉が開くゲームです。この仮のゲームを使って、遊ぶ人に何をどう伝えるかを考えましょう。
星を拾ったときに音だけが鳴る設計では、音を消して遊ぶ人は取得に気づけないことがあります。画面にも「集めた星:1/3」と表示すれば、拾えたことと残りの数を目で確かめられます。
遊ぶために必要な情報を、色や音だけに頼らず伝えましょう。
僕はDCA校長の和田亮一です。ゲームの目標を知らせる看板やアイテムの取得表示など、身近な場面から考えていきます。自分の作品にも似た場面がないか思い浮かべながら読んでみてください。
まずは伝えたい内容と見せ方を整理しましょう。Studioでの設定やコードを考える前に、案内が必要な場面を決めておくと制作を進めやすくなります。
ゲームの難しさと案内の分かりにくさを分ける
難しいパズルや練習して上達するコースにも魅力があります。残したいのは遊びそのものの挑戦です。目標や操作の説明が伝わらずに困っているなら、案内の側を見直しましょう。
星集めゲームなら、星のある場所を探すことが挑戦になります。一方で「星を三つ集めよう」という文字が小さすぎて読めなければ、遊ぶ人は何を探すのか分かりません。
何を難しくしたいのかを考える
道順を考えてほしい作品では、進む道を選ぶこと自体が遊びになります。その場合も何を目指すゲームなのかは伝えておきたいところです。目的が分かったうえで道を選べるようにします。
まずは作品で楽しんでほしい挑戦を一つ挙げてみましょう。その挑戦に必要な情報が届いているかを見れば、どの案内を足すべきか考えやすくなります。
一人の見え方や聞こえ方を標準にしない
自分のパソコンで読めた文字も、小さな画面では読みづらい場合があります。音を出せない場所で遊ぶ人もいます。作り手と同じ環境で遊ぶとは限りません。
Robloxの公式アクセシビリティ資料では、文字の大きさや背景とのコントラストなどが紹介されています。色や音だけに頼らず情報を伝えることや、プレイヤーが選んだ表示設定への配慮も扱っています。
ここではその考え方をゲーム内の案内に当てはめます。まずは遊ぶ人がどの情報を受け取れずに困るのかを具体的にしてみましょう。
別の例:進む扉を色だけで案内しない
次は扉の選び方を案内する別の例です。分かれ道に赤と緑の扉があり、緑の扉へ進んでほしいとします。「緑へ進もう」とだけ伝えても、色の違いが分かりにくい人には行き先が伝わりません。
下の図では扉に丸と星の印を付けています。ここでの星は扉を見分ける目印です。先ほどのゲームで拾う星のアイテムとは役割が違います。

扉の色は残したままで構いません。違う形の印を添えることで、色以外の手がかりでも行き先を選べるようにします。
「星の扉」のように対象を指せる名前を付ける
緑の扉に星の印があれば「星の印がある扉へ進もう」と案内できます。看板にも同じ印を描けば、言葉と形の両方で対象を示せます。
印が小さすぎたり形が似ていたりすると見分けにくいままです。扉を選ぶ場所から見て、違いが分かる大きさや形になっているかを確かめます。
装飾の色と意味のある色を分ける
森の葉やランプには雰囲気を作るための色もあります。一方で扉の色が進める場所を示しているなら、それは遊ぶために必要な情報です。まずはこちらを見直します。
画面にあるすべての色へ説明を付ける必要はありません。プレイヤーが何かを選ぶときに使っている色を探すと、直したい箇所を絞れます。
| 色だけで伝えていること | 別の手がかりを足す例 |
|---|---|
| 正しい扉は緑 | 星の印と短い案内を付ける |
| 取得済みの物は暗い色 | チェックの印も表示する |
| 危険な場所は赤 | 境界の形や警告の記号も使う |
| チームごとに服の色が違う | チーム名や形の印を併せる |
色に添えた記号の意味も確認しましょう。作品独自の印を使う場合は、初めて見た人にも意味が分かる短い説明を添えます。
文字は大きさと背景を一緒に見る
文字の読みやすさは大きさだけでは決まりません。背景と似た色だったり細かな模様に重なっていたりすると、文字を大きくしても読み取りにくいことがあります。
まずはゲームの目標や、やり直すためのボタンなどを確認しましょう。読むことで次の行動を選ぶ文章から整えていきます。
背景が変わっても読めるか
暗い森で読める白い文字も、明るい空に重なると見えにくくなる場合があります。一場面だけで判断せず、その文字が表示される場所と背景を確かめます。
文字の後ろに無地の面を敷いたり、置く場所を変えたりする方法があります。背景を透かすデザインにしたい場合も、景色が変わったときに読めるかを見ておきましょう。
説明を長くする前に目的を絞る
小さな枠に長文を入れようとすると文字を小さくしがちです。枠を調整する前に、その場面で必要な説明だけに絞れないか考えてみましょう。
星集めゲームなら、入口では「星を三つ集めよう」と目標を伝えます。出口に着いたときは「あと一つ必要です」と不足分を知らせる方法があります。必要になる場面に合わせて説明を分けます。
読む時間を作り手の速さで決めない
作った本人は表示される文章を覚えています。すぐに消える説明でも読めたつもりになりやすいため、初めて読む人にも確かめてもらいましょう。
大事な説明は後から見直せるようにする案もあります。読む速さが違っても必要な情報に戻れるかを確認します。
星集めの例に戻る:拾った結果を画面でも知らせる
冒頭の星集めゲームに戻りましょう。星を拾ったときの音は取得の合図になりますが、音を消して遊ぶ人には届きません。画面にも同じ出来事が分かる変化を用意します。

たとえば画面の星の数を「0/3」から「1/3」に変える方法があります。星を一つ拾うたびに表示が変われば、取得できたことを目でも確かめられます。
音の意味を画面の変化へ置き換える
ほかの場面でも音の役割から考えてみましょう。扉が開いたことを知らせたいなら開く様子を見せる、残り時間を知らせたいなら数字を表示する、といった方法が考えられます。
派手な光を足すだけでは何が起きたか分からないこともあります。星を拾った合図なら、その変化から「一つ拾えた」と読み取れるかを確かめます。
重要な音と雰囲気の音を分ける
森の風や鳥の声は雰囲気を作る音です。対して危険が近づく音や成功を知らせる音は、プレイヤーが状況を判断する手がかりになります。
まずは遊びを進めるために必要な音から見直しましょう。音を消した状態で遊び、次の行動を選べなくなる場面がないかを確かめます。
動きの合図は強ければよいとは限らない
画面の大きな揺れや急な拡大、繰り返す点滅は目立ちます。ただし人によっては負担になることもあります。伝えたいことに合った動きかを考えましょう。
星を三つ集めたことを伝えるなら、画面全体を揺らさずに「3/3」の表示と出口の変化で知らせる案もあります。何が起きたかが分かる表現を選びます。
動きを減らしても意味が残るか
読者目立つ合図を増やせば分かりやすくなりますか?



まずは何を伝えたいかを決めましょう。合図を加えたら意味が伝わるかと、ほかの案内を見づらくしていないかを確かめます。
動く矢印で進む方向を示す場合も、動きを弱めた状態を考えておきます。矢印の形や置く場所を工夫し、必要なら短い言葉も添えましょう。
Roblox公式資料でもプレイヤーの表示設定に配慮した設計が勧められています。動きを減らしたときにも、ゲームを進めるための情報が残るかを確認します。
四つのSTEPで自分のゲームの案内を見直す
ここまでの例を自分の作品に置き換えてみましょう。ゲーム開始時の目標表示やアイテムを拾った直後など、一つの場面を選んで進めます。
最初はゲームの入口だけを見ます。目標や進む方向など、分からないと遊びが止まる情報を挙げましょう。
次に、その情報を今は何で伝えているかを書きます。看板の文字なのか、道の色なのか、音なのかを分けると見直す対象がはっきりします。
星を拾う場面なら音を消しても取得に気づけるかを考えます。扉を選ぶ場面なら色の名前を使わずに行き先を説明できるかを考えましょう。
手がかりを一つ外したときに分からなくなることをメモします。その情報を別の方法でも伝えられないか、次のSTEPで考えます。
星の取得音には画面の数表示を添えます。扉の色には形の印を添えます。追加した合図が元の合図と同じ意味を伝えているかも確かめましょう。
目印を増やすほど分かりやすくなるとは限りません。案内が重なって大事な表示を隠していないかも見直します。
パソコンやスマートフォンなど、遊んでほしい相手の環境で表示を確認します。文字の折り返しや印の大きさ、画面からのはみ出しを見ます。
人に試してもらえる場合は、何を見て行動したかも聞いてみましょう。直した箇所と確認した結果を残し、まだ試せていない条件は分けて記録します。
確認メモは機器と場面を組にする
「文字が読めた」という結果には、使った機器と確認した場面も添えます。入口の看板と星を拾ったときの表示では背景や文字量が違うため、それぞれ確認しましょう。
| 確認する場面 | 見ること | メモの例 |
|---|---|---|
| 入口の看板 | 目標を読めるか | スマートフォンで最後の一行が切れた |
| 二つの扉 | 色以外で区別できるか | 星と丸の印で選べた |
| 星を取得した直後 | 音なしでも変化が分かるか | 数が増えたことに気づいた |
| やり直しの選択 | 押した後の結果が分かるか | 前の画面へ戻ると思った |
メモには実際に起きたことを書きます。「もっと分かりやすくする」より「入口の看板の最後の一行が切れた」と残す方が、次に直す場所を選びやすくなります。
確認できなかった条件も残す
手元にない機器では確かめられないこともあります。試していない条件を残し、確認できる機会に見直しましょう。
使った機器と画面の大きさ、音を出したかどうかを修正箇所と一緒に記録します。同じ条件で確認し直しやすくなり、まだ試せていない範囲も分かります。
まずは一つの大事な合図を見直そう
最初からすべての表示を作り直す必要はありません。目標を伝える看板やアイテムを拾ったときの表示など、自分の作品で気になる場面を一つ選びましょう。
その場面で何を知らせたいかを決め、今とは別の手がかりでも伝えられないか考えます。変更したら実際の画面で確かめ、人に遊んでもらえる場合は反応も見てみましょう。
必要な情報が伝わると、遊ぶ人は作品の挑戦そのものに向き合いやすくなります。
変更の前後は作品ポートフォリオに画像と理由を残せます。「星を拾ったときの数表示を加えた」と具体的に書くと、何を伝えるための工夫だったかを振り返れます。
見た目の楽しさを大切にしながら伝わり方も確かめる。その工夫を自分の作品の一場面から始めてみてください。
参考資料
Roblox Creator Hub「Accessibility guidelines」:文字の大きさ、コントラスト、色や音に依存しない表現、プレイヤーの表示の好みを考慮する観点を参照。
確認日:2026年10月10日









