Robloxで本当にプログラミングは学べるのか?教育効果と限界を校長が正直に答える

「ゲームでプログラミングが学べるって、本当なんでしょうか」

Robloxを遊んでいるお子さんを持つ親御さんから、この質問をよく受けます。学べるなら安心だけれど、都合のいい話に聞こえてしまう。その感覚は正しいと思います。

僕はRobloxのクリエイターを育てるスクールで校長をしています。だからこそ、宣伝ではなく正直にお伝えします。

Robloxでプログラミングは確かに学べます。ただし、遊んでいるだけでは何も身につきません。作る側に回って初めて学びになります。

読者

遊んでいるだけでは、やっぱりダメなんですね…

和田 亮一

そこは正直に言います。でも、遊んでいる子ほど作る側に進みやすいという強みもあるんですよ!

この記事では、Robloxで何がどこまで学べるのか、他の教材と何が違うのか、そして限界はどこにあるのかまで、包み隠さずお話しします。

この記事でわかること
  • Robloxで実際に学べるプログラミングの中身
  • プログラミング以外に身につく力
  • ScratchやマインクラフトとRobloxの違い
  • 正直な限界とつまずきやすい点
  • どんな子に向いているか
目次

Robloxで使われているのは、本物のプログラミング言語です

まず前提から。Robloxでゲームを作るときには、Luaという言語をもとにした仕組みが使われています。

ここを知らないまま、なんとなくゲームで学べるらしいと判断するのは危ういです。これは子ども向けに作られた特別なものではなく、実際の開発現場でも使われている言語です。

学習用に簡略化されたものではないので、身につけたことが先につながります。ここが、学習用の教材との大きな違いです。おもちゃではなく、本物の道具に最初から触れることになります。

ただし、いきなり文字を書く必要はありません。最初はブロックを置いて並べるところから始められます。

将来ほかの言語を学ぶときにも、考え方はそのまま使えます。作りたいものが増えてきたときに、自然と文字を書く段階に進んでいく。この流れが無理のないところです。

やらされるのではなく、必要になったから覚える。この順番だと定着しやすいんです。

つまり、入口はやさしく、その先に本物の言語が続いている。これがRobloxの構造です。

具体的に、何が学べるのか

学べると言われても、中身が見えないと判断できません。具体的に何に触れることになるのかを挙げます。ここが具体的に分かると、ご家庭で判断しやすくなります。

学べることゲーム作りでの使われ方
条件分岐もしボタンを押したら扉が開く、といった仕組みを作る
繰り返し同じ動きを続けさせる。敵が行ったり来たりする動きなど
変数得点や残り時間など、変化する数を管理する
順番の組み立て何がどの順で起きるかを設計する
エラーを直す作業思った通りに動かない原因を探して修正する

もしこうなったらこうする、という条件分岐は、プログラミングの土台になる考え方です。ゲームの中の仕掛けは、ほとんどがこの考え方でできています。これを教科書で学ぶと退屈ですが、扉を開ける仕掛けを作りたいという動機があると、子どもは自分から理解します。

動機が先にある学びは、覚えようとしなくても身につきます。得点を数える仕組みを作るときには、変化する数をどう扱うかを考えることになります。これが変数の考え方です。残り時間、体力、集めたアイテムの数。どれも同じ考え方で扱います。

そして意外と大きいのが、いちばん下のエラーを直す作業です。思った通りに動かないとき、どこが原因かを探して直す。この繰り返しが、粘り強さと問題解決の力を育てます。

学びは、どんな順番で進んでいくのか

実際にどう進んでいくのか、段階が見えると判断しやすくなります。おおまかな流れを示します。

段階やること身につくこと
第1段階ブロックを置いて場所を作る道具に慣れる。空間を組み立てる感覚
第2段階用意された仕掛けを組み合わせる何がどう動くかの理解
第3段階簡単な文字の指示を書いてみる条件分岐や繰り返しの考え方
第4段階思い通りに動かない部分を直す原因を探す力、粘り強さ
第5段階公開して遊んでもらう人に伝える力、改良の視点

第1段階と第2段階は、文字を一切書きません。ここだけでも十分に楽しめます。第3段階に進むかどうかは、本人しだいです。無理に進ませる必要はありません。もっとこうしたいという気持ちが出てきたときが、進みどきです。そのタイミングは子どもが自分で決めます。

その気持ちが出るまで、じっくり待ってあげてください。ここで止まったままでも、得られるものは十分にあります。この時点でも、順番を考えて組み立てる力は育っています。

読者

いきなり難しいことをさせなくていいんですね

和田 亮一

段階を飛ばすと嫌になってしまいます。焦らず進めるのがいちばんの近道ですよ!

大人の仕事でも、実際にはこの作業がいちばん多いくらいです。

プログラミング以外に、身につくもの

実は、コードを書く力よりも大きいと僕が感じているのは、こちらの部分です。技術は数年で変わりますが、こちらは変わらないからです。ゲームを作るということは、遊ぶ人のことを考えるということです。ここが難しくないか、どうすれば楽しいか。

自分だけが分かる作りでは、誰も遊んでくれません。

自分以外の誰かの目線でものを考える経験は、なかなか他では得られません。

しかも、遊んでもらえば反応がすぐ返ってきます。

ゲーム作りで育つ、もう一つの力

遊ぶ人の目線で考える力。うまくいかなくても投げ出さずに直す粘り強さ。完成まで運ぶ段取りの感覚。自分の作ったものを人に説明する力。パソコンやキーボードへの慣れ。どれもプログラミングの知識そのものより、長く役に立つ部分です。

作品ができたら、誰かに見せて説明することになります。何を作ったのか、どこを工夫したのか。人に伝わる言葉に直す過程で、自分の理解も整理されます。この説明する経験も、地味ですが確実に力になります。学校の発表や、大人になってからの仕事でも生きてくる部分です。

技術は変わっていきますが、考えて、直して、届けるという経験は残ります。ここが本当の価値です。

ScratchやマインクラフトとRobloxの違い

子ども向けのプログラミング教材は他にもあります。どう違うのかを整理しておきます。どれが優れているという話ではなく、段階が違うと考えてください。

教材特徴向いている段階
Scratchブロックを組み合わせる2Dの入門向け。文字を書かないいちばん最初の入口
マインクラフト親しみやすく、遊びの延長で学べる低学年からの導入
Roblox本物の言語に触れられ、作品を世界に公開できる次の段階へ進みたいとき

Scratchはとてもよくできた入門教材です。文字を書かずに考え方だけを学べます。

学校で使った経験があるお子さんも多いはずです。

ただ、その先に進みたくなったとき、次の段階が必要になります。そこにRobloxがはまります。ブロックを組み合わせるだけでは物足りなくなる時期が、いつか来ます。Robloxならではの点をもう一つ挙げるなら、作った作品を世界中の人に公開できることです。

誰かに遊んでもらえるという目標があると、最後まで作りきる力が出ます。教材の中で完結せず、実際に誰かに遊んでもらえる。この違いは、子どものやる気に大きく効きます。家族だけに見せることもできるので、段階を踏んで広げられます。

読者

順番に進んでいけばいいんですね

和田 亮一

そうです。すでにRobloxが好きなら、そこから入るのも自然な流れですよ!

Roblox自体がどんな場所なのかは、Robloxとは何かを基礎から解説した記事にまとめてあります。

正直にお伝えする、3つの限界

ここまで良い面を書いてきましたが、限界もはっきりあります。ここを隠す説明は信用しないでください。ここを理解したうえで始めるかどうかで、結果が変わります。一つ目。遊んでいるだけでは、何も学べません。当たり前のようですが、いちばん大事な点です。

遊ぶ時間と作る時間は、まったく別のものです。作る側に回らない限り、学習にはなりません。二つ目。日本語の情報が少ないという問題があります。公式の説明は英語が中心です。日本での本格的な普及がこれからなので、解説記事もまだ多くありません。

調べても答えが見つからず、そこで止まってしまう子は多いです。独学で挫折しやすいのは、主にこれが理由です。三つ目。エラーが出たときに、自力で解決するのが難しいことです。大人でも詰まる場面があるので、聞ける相手がいるかどうかで、続くかどうかが分かれます。

英語が読めれば強いのですが、小学生には難しい場面です。ここで放置されると、才能のある子でもやめてしまいます。

つまり、Robloxは学べる環境ではありますが、放っておけば勝手に学ぶ魔法の道具ではないということです。

つまずきを減らすために、家庭でできること

では、限界を踏まえてどうすればいいか。家庭でできることを挙げます。

どれも特別なことではありません。

STEP
まず作る側に触れさせる

制作ツールを入れて、一度触ってみるところからです。遊ぶ時間の一部を、作る時間に置き換えてみてください。

いきなり全部を切り替える必要はありません。週に一度でも構いません。

ツールの導入手順は、別の記事にまとめてあります。

STEP
小さく作って、完成させる

いきなり大作を狙わず、小さな作品を一つ完成させてください。作りきった経験があると、次に進めます。

完成の基準は低くて構いません。遊べる形になっていれば十分です。

STEP
詰まったときの逃げ道を用意する

ここが最大の分かれ目です。分からないときに聞ける相手がいるかどうかで、続くかどうかが決まります。

親御さんが詳しくなくても、一緒に調べるだけで十分です。一人で抱えさせないことが大事です。

どうしても解決しないときは、聞ける場所を用意してあげるという選択肢もあります。

STEP
できたものを見せてもらう

完成したら遊んで、感想を伝えてあげてください。説明する経験も含めて、学びになります。

上手かどうかより、どこを工夫したのかを聞いてあげると喜びます。

この4つを押さえておけば、独学でも進みやすくなります。とくに三つ目が要です。ここだけは意識してあげてください。始め方の具体的な手順は、Roblox Studioの使い方を初心者向けに解説した記事にまとめてあります。

どんな子に向いているのか

ここまで読んで、うちの子には合うだろうかと考えている方も多いと思います。判断の材料をお伝えします。

向き不向きについても正直に書きます。全員に合うものではありません。

向いているのは、すでにRobloxが好きな子です。好きなものの延長線上なので、動機が続きます。嫌いなものを題材にしても続きません。好きが最大の武器になります。ここを見誤ると、親子で消耗するだけになってしまいます。

自分で何かを作るのが好きな子、思い通りにいかなくても面白がれる子も伸びます。

逆に、一度でうまくいかないと嫌になってしまう子には、最初は根気がいるかもしれません。そういう子ほど、最初の一作を親御さんが一緒に完成させてあげると変わります。

ただ、そういう子でも、好きなものを題材にすれば続くことが多いです。大切なのは、プログラミングを学ばせようとしないことです。作りたいものがあるから、結果として学ぶ。習わせている感覚が伝わると、とたんにやる気が落ちます。

この順番を逆にすると、たいてい続きません。

学ばせるのではなく、作りたい気持ちを応援する。これが、いちばん確実な進め方です。

Robloxのプログラミング学習についてよくある質問

遊んでいるだけでもプログラミングは身につきますか

身につきません。遊ぶ時間と作る時間はまったく別のものです。制作ツールを使って作る側に回って、初めて学習になります。

どんなプログラミング言語を使いますか

Luaという言語をもとにした仕組みが使われています。子ども向けの特別なものではなく、実際の開発でも使われている言語です。

何歳くらいから学べますか

ブロックを置くところから始められるので、小学生でも取り組めます。文字を書く段階に進むかどうかは、本人の様子を見て判断すれば十分です。

ScratchとRobloxはどちらが先がいいですか

まったくの初めてならScratchのような入門教材のほうが進みやすいです。ただ、すでにRobloxが好きな子なら、そこから入るほうが動機が続きます。

独学でも学べますか

学べますが、公式の説明が英語中心で日本語の情報が少ないため、つまずくと止まりやすいです。分からないときに聞ける相手がいるかどうかが分かれ目になります。

親が詳しくなくても大丈夫ですか

大丈夫です。教える必要はありません。分からないことを一緒に調べる、できたものを見て感想を伝える。それだけで十分に支えになります。

学校の勉強に役立ちますか

直接的に成績が上がるとは言えません。ただ、順番を考えて組み立てる力や、うまくいかない原因を探す力は、学習の場面でも生きてきます。

費用はかかりますか

制作ツールは無料です。パソコンがあれば追加の費用なしで始められます。まず無料の範囲で試してから判断してください。

スクールに通わせるべきですか

まずは家で無料の範囲から試してみてください。そのうえで、続けたそうにしている、けれど詰まって進めない。そう感じたときに検討すれば十分です。

まとめ 学べますが、遊ぶだけでは何も起きません

Robloxでは、条件分岐や繰り返し、変数といったプログラミングの基本に触れられます。しかもLuaという実際の開発でも使われる言語がもとになっています。

ただし、それは作る側に回った場合の話です。遊んでいるだけでは何も身につきませんし、日本語の情報が少なく独学では詰まりやすいという限界もあります。

この記事の要点
  • Robloxで使われるのはLuaをもとにした本物の言語
  • 条件分岐、繰り返し、変数などの基本に触れられる
  • エラーを直す作業が問題解決の力を育てる
  • 遊んでいるだけでは学習にならない
  • 日本語の情報が少なく、独学では詰まりやすい
  • 学ばせるのではなく、作りたい気持ちを応援する

まずは、作る側を体験してみませんか

お子さんが作る側に興味を持ったら、DCAの無料説明会をのぞいてみてください。Robloxのゲーム作りがどんなものかをお伝えしています。

カリキュラムは、株式会社TOKYO EPICとフランスのRoblox開発スタジオが共同で開発しました。運営元や雰囲気が気になる方は、運営元や実態を正直に話した記事もあわせてどうぞ。

説明会は無料で、お子さんと一緒に参加される保護者の方も多くいます。まずは話を聞いて、お子さんに合いそうか確かめるところから始めてもらえます。


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この記事を書いた人

和田 亮一のアバター 和田 亮一 DCA校長 / 株式会社TOKYO EPIC代表

映画『カメラを止めるな!』共同原作者。株式会社TOKYO EPIC代表取締役。
フランスのRoblox開発スタジオと提携し、日本のRobloxクリエイター育成に取り組む。
DCA(デジタルクリエイターズアカデミー)校長。

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